筋トレを成功させるコツは、小さな成功体験を経験することだ。

闇雲にトレーニングをしていても、トレーニング効果への手応えを感じることができなければ、モチベーションは低下していく。

そこで、あえて「腕立て伏せだけに集中する」ことをすすめたい。

腕立て伏せだけの筋トレが適している人とは?

まずは、「小さな成功体験」を経験してほしい。

「筋トレには効果がある」ということを実感することで、「筋トレをする→筋肉が成長する→理想のスタイルを目指して筋トレをする」という健全なサイクルが回り出す。

筋トレにトライしても効果がない

「筋トレをしても効果がない」「自分は筋肉がつきにくい体質なのだ」と考えているなら、「本当に正しいトレーニングができていたのか?」について再考してみる必要がある。

筋肉がつきにくい体質というのは、確かに存在する。しかし、トレーニングをしても全く効果がないのであれば、確実に、やり方を間違えている。

筋肉の成長(筋肥大)が実感できない

筋肉の成長(筋肥大)には、必要不可欠な条件がある。筋肥大させるためは、「強度・量・頻度」の3要素が必要だ。正しいステップを踏んでいかなければ効果を得ることは難しくなる。

「10回3セット」が、筋トレの基本だとされている。
これは、正しい。

しかし、正確には「80%1RMの負荷(8回しか反復できない負荷)で10回3セットを目指す」ことが本質的な意味である。60%1RMの負荷(約20回ほど反復できる負荷)で、10回3セットのトレーニングを実施しても大きな効果は得られない。

なぜ、腕立て伏せ(プッシュアップ)なのか?

腕立て伏せ(プッシュアップ)の効果とは、胸の筋肉(大胸筋)と二の腕の筋肉(上腕三頭筋)を刺激できることにある。加えて、体幹を固定するために、腹筋や背中の筋肉(広背筋)へも刺激が入る。

腕立て伏せだけでも、ある程度、バランスよく鍛えられるのだ。

筋トレ初心者が取り組むべき種目は、脚・胸・背中など、大きな筋肉(大筋群)のトレーニングとされる。大きな筋肉を鍛えることで、効率的にスタイルを改善させることができるためだ。

  • 脚トレ→スクワット
  • 胸トレ→プッシュアップ(腕立て伏せ)
  • 背中トレ→チンニング(懸垂)

しかし、筋トレ初心者がはじめから3種目に取り組むというのは、ハードルが高すぎることが多い。3種目を実施することで、全てのトレーニングが中途半端になってしまうリスクがある。

中途半端なトレーニングでは、トレーニング効果を得られない。そこでおすすめしたいのが、「腕立て伏せ(プッシュアップ)だけに集中する」という選択になる。

腕立て伏せの正しいやり方とステップアップ方法

腕立て伏せの基本と、正しい筋トレ方法についての解説。

腕立て伏せ(プッシュアップ)の基本とコツ

まずは、正しい腕立て伏せの方法(やり方)を修得してほしい。

  1. 肩幅よりもやや広いスタンスで、体を一直線に保持する。
  2. 胸が床に触れるまで体を下ろす。
  3. テンポコントロールは、下ろすのに2秒、上げるのに1秒。
  4. 肩をすくめないことと胸を張ることがポイント。

腕立て伏せ(プッシュアップ)は、基本的な種目ではあるが、意外と奥の深いトレーニング種目である。効かせるコツとしては、体幹を固めて体を一直線にすることと、床に胸が触れるまでしっかり体を下ろすことである。

体を持ち上げる動作(筋肉が縮みながら力を発揮する)ことをコンセントリック。体を下げる動作(筋肉が伸びながらブレーキとして力を発揮する)ことをエキセントリックという。

コンセントリックに1秒、エキセントリックに2秒としているのは、エキセントリック局面の方が筋肉(速筋繊維)への運動効果が高くなるためだ。

準備するのはキッチンタイマーとプッシュアップバー

トレーニングを始める前に、キッチンタイマーとプッシュアップバーを準備しておいてほしい。加えて、筆記用具も必要となる。

キッチンタイマーは、セット間インターバルを管理するために使用する。プッシュアップバーは、稼働域を広げることで、腕立て伏せの負荷を上げるために使用する。筆記用具は、トレーニング内容を記録するためだ。

以上の3点は、絶対に必要なものなので、必ず準備すること。

トレーニング計画の実践方法

繰り返しになるが、効果的なトレーニングとは「強度・量・頻度」が適切であることだ。この3要素は全てが重要であり、ひとつでも欠ければトレーニング効果は大きく減少することとなる。

  • 強度→限界での反復回数が5~15回であること。
  • 量→可能であれば3セット以上。少なくとも2セット。
  • 頻度→オーバートレーニングに注意しながら週2~3回

筋力には個人差があるので、ここでは「正しいフォームでの腕立て伏せが5回できる人」の場合を想定して解説していく。

ワークアウトラボ

【補足】5回以下しかできない場合は、膝付きでの腕立て伏せ。

1回目のトレーニングは、「5回3セット」を目標とする。セット間インターバルは1分(キッチンタイマーを使用)に設定。初めてのトレーニングでは、「5回→3回→1回」のようになるはずだ。

ワークアウトラボ

【補足】1分のセット間インターバルでは「呼吸が整わない」のであれば、90~120秒ほどに伸ばしても良いが、徐々に短くし、1分程度のインターバルで実施できるようになるのが望ましい。

3~4日後に行う2回目のトレーニングでは、前回と同じ条件であっても「5回→4回→2回」のようになる。これを繰り返していくことで、「5回→5回→5回」になったらステップアップをする。

今度は「8回3セット」を目標として、トレーニングをする。ステップアップを繰り返すことによって「15回→15回→15回」を達成したら、今度は、プッシュアップバーを使用して負荷を高める。

プッシュアップバーを使用した腕立て伏せでも「15回3セット」を達成できたら、脚を椅子の上に置いて負荷を高める。それでも「15回3セット」を達成できたら、セット間インターバルを縮めていく。

以上のように、負荷をステップアップさせていくことがポイントとなる。

トレーニングと並行して行うべき食事管理

筋トレだけで、筋肉の成長(筋肥大)は起こらない。

筋肥大させるために必要な摂取カロリーの調整

筋肉の成長には、余剰エネルギーが必要となる。
食事制限をしていると、筋肉が発達しないのはこのためだ。

ワークアウトラボ

【補足】トレーニング初心者や肥満体型の場合は、食事制限をしていてもある程度は成長する。

ダイエット中であれば「目標体重kg×30kcal」、ダイエットをしていないのであれば「除脂肪体重kg×40kcal」ほどを目標としてほしい。

筋肉の材料となるタンパク質摂取量の目安とは?

筋肉を成長させるためには、タンパク質が必要だ。

タンパク質は、筋肉の材料となる。三代栄養素(タンパク質・脂質・糖質)はいずれもが大切な栄養素ではあるが、脂質が不足してもタンパク質や糖質で補うことができる。糖質が不足しても、タンパク質や糖質で補うことができる。

しかし、タンパク質は他の栄養素では補うことができない。

摂取量の目安としては、「体重1kgあたり1.5~2g」を目指してほしい。また、一度に吸収できるタンパク質は40gが限度だとされているため、3食(可能であれば間食も含めて4~5食)に分割して摂取することが望ましい。

可能であればプロテインを活用すること

食事管理(カロリー管理やタンパク質の摂取量)の手助けをしてくれるのがプロテインだ。勘違いしている人も少なくないが、プロテインとは「タンパク質のサプリメント(食品)」なのだ。

当然、副作用などのデメリットはないし、筋肉増強効果もない。

「プロテインは高い」と思っている人もいるだろう。しかし、一般的なプロテインで、タンパク質を20g摂取するためのコストは100円ほどとなる。これは、肉100g(タンパク質約20g)を摂取するのと違いはない。

コストは変わらずに、タンパク質だけをピンポイントで摂取できるのがプロテインなのだ。

【まとめ】腕立て伏せだけの筋トレも悪くはない

どんな種目であっても、筋トレの基本(強度・量・頻度)に違いはない。正しい筋トレ方法を学ぶ(経験)するためにも、腕立て伏せだけのトレーニング方法は適している。

  • まずは小さな成功体験を積み重ねること
  • 腕立て伏せで筋トレの基本(ステップアップ方法)を学ぶ
  • カロリー管理と体重1kgあたり1.5~2gほどのタンパク質

3ヶ月から半年後、腕立て伏せだけのトレーニングに不満が出てくる可能性はある。しかし、他の種目に取り組むのは、「筋トレの成功体験」を経験してからでも遅くはない。