人は食べなければ生きていけませんが、運動をしなくても生きていけます。しかし、スタイルを良くしたり、健康になるためには運動が必要です。

そして、運動をしていても食事管理を怠っていれば「運動効果を得られないばかりか健康を害する」こともあります。食事管理と運動は、どちらも大切なのです。

筋トレに適している食事の条件とは?

食事管理のポイントは、必要な栄養素を過不足なく摂取することです。

摂取カロリーについて

太るか痩せるかは、カロリーの収支と深く関係しています。

人の体は、絶えず合成と分解を繰り返しています。合成が優位になれば太ったり筋肉が増えたりしますが、分解が優位になれば痩せたり筋肉が減ったりしてしまいます。

「除脂肪体重×40kcal」

積極的にトレーニングをしている場合、このくらいの摂取カロリーであれば「脂肪を増やすことなく筋肉量を増やせる(または維持できる)摂取カロリー」だとされています。(※あくまで目安です)

PFCバランスの重要性

PFCバランスとは、三代栄養素のバランスです。

  • Protein:タンパク質
  • Fat:脂質
  • Carbohydrate:炭水化物(糖質)
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【補足】タンパク質と炭水化物(糖質)は4kcal、脂質は9kcalのエネルギーを持ちます。(1gあたり)

トレーニングテクニックが数多く存在するように、食事管理にも様々な方法があります。答えはひとつではありませんが、基本的なPFCバランスとしては以下のようなものが一般的です。

  • ステップ1:総摂取カロリーの10~20%の脂質
  • ステップ2:除脂肪体重の2~3倍のタンパク質
  • ステップ3:総摂取カロリーからPとFのカロリーを引いた分が糖質

除脂肪体重を計測するためには、生体インピーダンス法の測定器を使用します。

予測値ですので正確な数値ではありません。あくまで「目安の数値」であることを頭に入れておいてください。

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【補足】除脂肪体重=体重ー(体重×体脂肪率)

栄養摂取のタイミング

同じ栄養素であっても、摂取するタイミングによって効果が変わります。

例えば、糖質(炭水化物)と脂質は「他の栄養素で代用可能」なのですが、タンパク質は「他の栄養素で代用することができません」。タンパク質が不足すれば、筋肉を分解して使用することになります。

筋トレをするなら食事を小分けにして「血中のアミノ酸濃度を維持する必要がある」とされているのはこのためです。

また、「就寝前に食べると太りやすい」というのは、誰もが経験的に知っているはずです。同じ摂取カロリーであっても、食後の活動有無によって「血中中性脂肪濃度に違いがある」ことが確認されています。

具体的な食事管理とは?

目的別の、具体的な食事管理について解説していきます。

筋肥大(筋肉を成長させたい)場合の食事管理

筋肉を成長させたい場合の食事管理は、上記で解説した「基本の食事管理方法(摂取カロリーとPFCバランス)」を基準として、多少の余剰カロリーを作り出すことが基本となります。

余剰カロリーを大きくしすぎると「筋肉の合成よりも脂肪の合成が大きく」なりますので注意が必要です。

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【補足】筋肉を増やすためにドカ食いをする人もいますが、不要な体脂肪を増やさないためには「ベースカロリー(太りも痩せもしないカロリー)+500kcal」ほどを上限とするのが現実的です。

ボディメイクに取り組んでいるのであれば、体の変化を記録しているはずです。

  • 体重
  • 体脂肪率
  • ウエストサイズ
  • 皮下脂肪厚
  • 見た目

各記録項目を考慮した上で、「体重も筋肉量も増えていない」のであれば摂取カロリーをプラスする。

「筋肉は増えているが体脂肪の増加も大きい」のであれば、トレーニング量を増やすか、摂取カロリーを減らしてPFCバランスを変えてみるなどのアレンジをしていく必要があります。

筋肉を維持しながら痩せたい場合の食事管理

「基本の食事管理方法(摂取カロリーとPFCバランス)」から、摂取カロリーを減らしていくことがダイエット(除脂肪)の食事管理です。

摂取カロリーを減らしすぎてしまうと、「トレーニングの質が落ちる」「脂肪の減少以上に筋肉の減少が大きくなる」などのデメリットがあります。

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【補足】基礎代謝付近まで減らしてしまう人もいますが、筋肉量を減らさずに体脂肪を減らす為には「目標体重×30kcal」以下にすることはおすすめできません。

記録しているデータの変化を考慮しつつ、「体重や体脂肪率が減らなくなってきたら200kcalずつ制限していく」「体調に応じてPFCバランスを変化させてみる」など、柔軟な対応が必要となります。

炭水化物(糖質)をどのように捉えるか?

ここまで解説してきた「筋トレをしている人の基本的な食事管理方法」から、「炭水化物(糖質)を制限することによってダイエットをしている」という印象を持つかもしれません。

確かに、糖質(炭水化物)を減らしています。

必要な摂取カロリーから、10~20%の脂質と除脂肪体重×2~3gのタンパク質を確保した上で余剰分のカロリーを糖質で摂取していきますので、結果として「炭水化物の摂取量が減っていきます」。

しかし、「炭水化物(糖質)は不要だ」と言っているわけでありません。

食事メニューだけではなくタイミングも重要

栄養素は、摂取するタイミングによって栄養効果が変わります。

筋トレ前の食事について

トレーニング前には、運動に必要なエネルギーと筋肉を減らさないためのアミノ酸(タンパク質)を補給しておく必要があります。

ジムなどで、トレーニング前(もしくはトレーニング中)に、カラフルなドリンクを飲んでいる人を見かけたことはありませんか? それはBCAA(分岐鎖アミノ酸)というサプリメントです。

BCAAを摂取しておくことによって、激しい運動によって起こる「筋タンパク質の分解」を防いでくれるという効果があります。

しかし、これからトレーニングをはじめる人の場合、「トレーニング20分前にプロテインを10gほど摂取しておく」だけでも十分に効果的があります。その際、オレンジジュースなどによって糖質も補給しておくことをおすすめします。

筋トレ後の食事について

筋肉を成長させるためには、栄養が必要です。トレーニング後、速やかに「タンパク質と糖質を摂取すること」で、速やかに筋肉の材料を送り届けることができます。

しかし、目的がダイエットなのか? 筋肥大なのか? によって、トレーニング後の食事内容には違いがあります。ダイエットが目的なのであれば「補う程度の食事が基本となります」し、筋肥大が目的であれば「十分なエネルギーが必要」となります。

ダイエットと筋肥大は、分けて考えていく必要があるのです。

最適な食事の回数とは?

摂取カロリーやPFCバランスと並んで、「体に対して大きな影響力を持つのが食事の回数」です。

たとえば、血糖値が下がると脂肪が合成されやすくなります。体が飢餓状態を感知すると「ストレスホルモンが分泌されて筋肉を分解し、脂肪を蓄えようと」します。

「無駄な脂肪を付けずに筋肉を増やしたい」のであれば、食事を小分けにする必要があります。分食することで「体に飢餓状態を感知させない」ことがポイントです。もちろん、設定した摂取カロリーの範囲内であることが前提となります。

【まとめ】筋トレと栄養管理(食事)のポイント

適切なトレーニングができていても、食事管理が疎かでは、トレーニング効果を得られません。体を変えるためには、「運動、栄養、休養」の3要素が満たされている必要があるのです。

  • 食事の基本は、「摂取カロリー」と「PFCバランス」。
  • 食事管理は、記録(体重や見た目の変化など)を考慮しながら変化させる。
  • 栄養素は、摂取タイミングによって栄養効果が変わる。

はじめは難しく感じられるはずです。まずは「摂取カロリー」「タンパク質」あたりのコントロールからはじめてみてはいかがでしょうか?