意外に感じられるかもしれませんが、腕立て伏せができない人は少なくありません。

しかし、正しい練習方法を実践すれば「誰でもできるようになる」のが腕立て伏せです。難しいことはありません。トレーニングの基本「強度・量・頻度」に即したトレーニングに取り組みましょう。

腕立て伏せができない原因を洗い出す

できない原因を知らなければ、できるようにはなれません。

そもそも腕立て伏せに必要な筋力が不足している

多くの「腕立て伏せができない」原因は、単純に、筋力が不足してるためです。

腕立て伏せは、多くの筋肉が動員されるトレーニング種目です。主動筋である胸の筋肉や二の腕の筋肉が弱ければ「押す力が不十分」ですし、お腹やお尻の筋肉が弱ければ「体幹を保持すること」が難しくなります。


  • 主動筋:大胸筋、上腕三等筋、三角筋前部
  • 補助筋:前鋸筋、僧帽筋、腹直筋

正しいフォームでの腕立て伏せは、体重の60%ほどのベンチプレスと同等の負荷がかかるトレーニング種目だと言われています。体重65kgであれば「39kgのベンチプレスに相当する」ということです。

「腕立て伏せに必要な筋力が不足している」というのは、珍しいことではないのです。

手首が痛くて腕立て伏せができない

手首が痛くなるのが原因で腕立て伏せができないのであれば、プッシュアップバーを使用して「手首への負荷を軽減する」ことがポイントになります。

特に体重が重いために手首への負担が大きくなっている場合、プッシュアップバーを使用して「体重を腕の骨に乗せる」ことを意識することが大切です。

プッシュアップバーを使用することで、稼働域を広げることにもつながりますので、一石二鳥のトレーニング器具です。

負荷を弱めた腕立て伏せで筋力を付けていく

効果的な筋トレとは、適切な負荷でのトレーニングを「ステップアップさせていくこと」がポイントです。

膝を付けた腕立て伏せ

膝をつけることで”てこ”を短くすることができ、普通の腕立て伏せよりも20%ほど負荷を弱めることができます。膝をつけた腕立て伏せは、別名「ショートレバープッシュアップ」とも呼ばれます。

ポイントは、膝から肩までを一直線にする(股関節を曲げない)ことです。てこが短くなること以外は通常の腕立て伏せと同じですので、大胸筋への負荷や、コアをしっかり絞ることを意識してください。

椅子やテーブルを利用した腕立て伏せ

椅子やテーブルに手をついた状態での腕立て伏せは、体幹を高くすることができます。体幹を高くすることで、コア(体幹)を維持しつつ、主動筋への負荷を弱めることができるのです。

はじめは高い位置からスタートすることをおすすめします。

例えば、「テーブル→椅子→雑誌など」のように、筋力の向上にあわせて体幹を低くしていくことで、最終的には通常の腕立て伏せ(床に手をついた腕立て伏せ)ができるようになっていきます。

腕立て伏せができるようになるためのポイント

筋トレとは、速筋を鍛えるためのトレーニングです。
速筋を鍛えるためには、適切な負荷である必要があります。

限界でも20回以下しかできない負荷であること

筋力を向上させるためには、一定以上の負荷(60%1RM以上の負荷)が必要です。

それ以上できてしまう負荷(60%1RM以下の負荷)では、筋持久力のトレーニングとなってしまうため、速筋繊維への刺激が小さくなります。

反対に、5回以下しかできない負荷(90%1RM以上の負荷)では、神経系のトレーニングになってしまうため、スムーズに筋肉を成長させることが難しくなります。

ワークアウトラボ

【補足】60%以下の負荷(20回以上できる負荷)でも「限界までのトレーニングを数セット実施」することで、筋肥大が可能です。しかし、効果の割に「精神的な苦痛」が大きくなりますので、一般的ではありません。

12回位を目安としてステップアップしていくこと

個人差はありますが、12回×3セットのトレーニングができるようになれば、次の段階へステップアップしていく必要があります。重要なのは、「回数ではなく負荷」だということを忘れないようにしてください。

特に男性に多いのだが、「負荷を上げる=回数を上げる」と誤解している方が少なくない。

引用元:中野ジェームズ修一「かしこい体の鍛え方」P46より

負荷を弱めた状態で回数を重ねても、筋持久力は高まりますが、筋力は向上しません。軽い負荷でのトレーニングを継続したとしても、腕立て伏せができるようにはならないのです。

食事や休養が適切である必要があること

食事(栄養管理)や休養を疎かにしてはいけません。

適切なトレーニングができていたとしても、栄養や休養が適切でなければ、筋肉は発達しません。筋トレとは、「トレーニング・栄養・休養(頻度)」が適切であってこそ、効果を得られるものなのです。


  • トレーニング:強度(負荷)、回数、フォーム
  • 食事管理:PFC(タンパク質、脂質、糖質)の量とバランス
  • 休養(頻度):1部位につき週2回ほどのトレーニング

特に、食事管理が重要です。

トレーニング内容や日常生活での活動量などを考慮しつつ、総摂取カロリーやPFCバランスを考慮した食事管理をしましょう。

【まとめ】腕立て伏せができるようになるためのポイント

正しい練習方法を知っていれば、「腕立て伏せができるようになる」のは難しいことではありません。適切な負荷やフォームを意識しつつ、ステップアップしていくようなトレーニングを実施してください。

  • できない原因を知らなければ、できるようにはならない
  • 腕立て伏せでも負荷を変える方法があることを知る
  • 筋トレは、ステップアップしていかなければ効果を得られない

本格的なウエイトトレーニングも、自宅での自重トレーニングも、「筋肉を成長させる方法」に大きな違いはありません。トレーニングの基本は、「強度・量・頻度」だということを忘れないようにしましょう。