腹筋ローラーは、効果的な体幹トレーニング器具です。
適切な負荷と適切な頻度を守れば、必ず効果を得ることができます。

しかし、腹筋ローラーでのトレーニングも筋トレだということを忘れてはいけません。筋トレの基本(筋肉を成長させるポイント)を外していたのでは、どんなに頑張っても効果を得られなくなります。

毎日トレーニングできるのは間違っている

腹筋ローラーを毎日できてしまうのは、適切なトレーニングができていない証拠です。

筋肉は疲労と回復を繰り返しながら成長していく

筋肉を成長させる(筋肥大させる)ためには、筋肉に対して適切な刺激を与える必要があります。

刺激を受けた筋肉は、受けた刺激に耐えられるように成長していきます。この、「刺激を受ける→回復する→刺激を受ける→……」というサイクルを繰り返すことによって筋肉を成長させていくのです。

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【補足】トレーニングによって筋肉を刺激し、以前よりも強い状態へ回復させることを「超回復」と呼びます。

24時間で完全に回復してしまうのでは負荷不足の可能性

適切な負荷と運動量ができていれば、24時間で完全に回復することはありません。もし、適切な負荷と運動量でのトレーニングができていれば、毎日トレーニングすることで徐々に回数が減ってくるはずです。

「腹筋は回復速度が速いから毎日できる」

そんな言葉を聞いたことがあるはずです。しかし、毎日やれるというのは「毎日やれる程度のトレーニングしかできていない」ということでしかないのです。

適切なトレーニングができていれば毎日できない

繰り返しになりますが、筋肥大を目的とした適切なトレーニングができていれば、毎日トレーニングをすることはできません。

アスリートの中には、(ひとつの部位を)毎日トレーニングして結果を残している選手がいます。しかし、毎日トレーニングをする目的は、筋肥大ではなく神経系を強化する(発達させる)ためです。

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【補足】神経系のトレーニングは、90%1RM(1~3回しか反復できない強度)以上の負荷で行われます。筋肥大が目的であれば、80%1RM(約8回反復できる強度)で3セット以上が基本となります。

腹筋ローラーを手にした多くの人は、ボディメイクを目的としていますよね? 筋肉を成長(筋肥大)させて、割れた腹筋を手に入れたい人が大多数だと思われます。

ボディメイク目的でのトレーニングは、毎日できてしまうようなトレーニング方法ではダメです。「限界まで疲労させて、数日かけて回復させる」ことを繰り返していくのが最も効率的なトレーニング方法となります。

「10回を毎日」のメリットとデメリット

腹筋ローラーを使って、「毎日、10回のトレーニングを続ける」ことを目標としている人もいるはずです。意外と悪くないトレーニング方法ですが、「悪くない」というのは、「トレーニング初期に限定すれば」という条件付きです。

確かに、筋トレ初心者にとって「腹筋ローラーを10回」というのは、良い運動強度になります。(1セットだけ)の運動量に関しても、トレーニング初期であれば問題にはなりません。

しかし、筋力がついてきて「20回以上できるのに10回で止めてしまう」のであれば、強度、運動量ともに不足しています。たとえ続けたとしても、維持することはできても成長させることはできません。

筋肥大させるためには、運動強度や運動量を「ステップアップさせていく」ことがポイントになるのです。

筋肉痛が治らなければ積極的に休むべき

筋肉痛になったら、トレーニングは休んでも構いません。

筋肉痛がなくても筋肉は成長する

意外に感じられるかもしれませんが、筋肉痛がなくても筋肉は成長します。

トレーニングを続けていると、筋肉痛が起こりにくくなっていきますので、「効果がないのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、適切な強度と運動量が確保できてさえいれば、筋肉痛は必要ないのです。

むしろ、筋肉痛が起こることによって、適切な強度と運動量の確保が難しくなります。トレーニング上級者の中には、強い筋肉痛を起こさないように注意しながらトレーニングメニューを決めている人もいるほどです。

強い筋肉痛を感じたら無理をせずに休むこと

一言に「筋肉痛」といっても、その程度によって対処方法が変わります。一般的な筋肉痛は2~3日で改善しますので、運動に支障のないレベルまで回復したらトレーニングを再開しても大丈夫です。

しかし、「なかなか治らない筋肉痛」の場合には注意が必要です。

一般的な筋肉の成長は、微細な損傷を受けた筋繊維が「補修される」ことによって強化されていきます。一方、なかなか治らない筋肉痛というのは、補修では対応しきれないために「筋繊維が作り替えられている」ことで起こります。

筋繊維が作り替えられる場合、壊れた筋繊維を分解吸収した後に筋繊維が再生されることになりますので、回復までに時間がかかります。長い場合は、1ヶ月以上も筋肉痛が治らないことがあるとされています。

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【補足】筋繊維の再生が起こっているときにトレーニングをしてしまうと、筋肉の質が低下してしまいます(繊維化してしまいます)ので注意してください。

腹筋ローラーもステップアップしていくこと

筋肉を成長させるためには、ステップアップしていく必要があります。

膝コロから立ちコロへのステップアップ

腹筋ローラーでのトレーニングは、膝をついた状態からローラーを転がす「膝コロ」からはじめ、立った状態からローラーを転がす「立ちコロ」ができるようになることが最初の目標になります。

しかし、膝コロと立ちコロの運動強度には、大きな隔たりがあります。「膝コロが何回できたから、立ちコロができるようになる」という単純なものではありません。

この隔たりを埋めるためには、「膝コロを10回3セットできるようになったら、途中まで転がす立ちコロにトライしてみる」などのようにステップアップの際の段階を細かく設定していく必要があります。

10回3セットを目標として記録をつけていくこと

腹筋ローラーは毎日行うものではありません。「毎日やること」を目標としてしまうと、短期間のうちに「筋肥大に必要な条件」を満たせなくなります。頑張っていても筋肉が成長しなくなってしまうということです。

「では、どのような目標を立てればよいのか?」

それが、回数とセット数です。これからトレーニングをはじめるのであれば、まずは膝コロで「10回3セット」を目標としてください。可能であればセット間インターバルを意識すれば尚良しです。

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【補足】セット間インターバルの詳細は、後記します。

はじめは「5→2→0」のようになるかもしれませんが、それでOKです。週2~3回ほどのトレーニングを続けていけば、10回3セットを達成できるようになるのは難しいことではありません。

効かなくなってきたらセット数とセット間インターバルを変える

「腹筋ローラーに効果がない」「腹筋ローラーが効かなくなってきた」と感じられるようになった場合、セット数とセット間インターバルを変更することによって効果的なトレーニングが可能となります。

筋トレにおける、最も効果的なセット数は「3セット以上」です。筋肉を追い込めることが基本ではありますが、2セットと3セットの間には「大きな違いがある」ことが確認されています。

セット間インターバルは、短すぎれば呼吸を整えられずにトレーニングの質が低下しますし、長すぎれば「筋力が回復してしまう」「ホルモン分泌が低下する」などの理由からトレーニング効果が低くなってしまいます。

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【補足】筋力トレーニングの刺激には、「物理的刺激」と「化学的刺激」があります。前者は「筋繊維に微細な損傷を与えること」で筋肉を成長させ、後者は「ホルモン分泌を促す」ことで筋肉を成長させます。

現実的なセット間インターバルは、1~3分です。心肺機能の強さによって、どのくらいで呼吸を整えられるかが変わってきます。可能な限り、短いセット間インターバルでトレーニングを実施できるようにしましょう。

【まとめ】毎日できてしまうトレーニングでは効果が薄い

毎日できてしまうトレーニングでは、筋肥大は起こりにくくなります。腹筋ローラーの目的が「腹直筋を大きくすること」であれば、毎日できてしまってはいけないのです。

  • 毎日はできないトレーニングを目指すこと。
  • 筋肉痛の種類を見極めること。
  • ステップアップしなければ、筋肉は成長しない。

腹筋ローラーの難しさは、負荷をコントロールしにくいことです。膝コロと立ちコロの間には大きな違いがありますので、セット数やセット間インターバルをを調整することで対処していきましょう。